診察内容

【消化器科・外科】
当院では、できるだけ患者さんの負担が少ない検査・治療を心掛けています。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)では、経鼻内視鏡や寝ている間に検査が終わる鎮静下検査を取り入れております。下部消化管検査(大腸カメラ)でも、鎮静下検査を行っております。鎮静下検査を受けられた方のほとんどが、次の検査でも鎮静下検査をご希望されております。
早期消化管癌(食道癌・胃癌・大腸癌)に対しては、内視鏡的粘膜剥離術(ESD)を行っております。(お腹を切らない手術)早ければ、術後1日目よりお食事をとることができます。入院期間も5日前後です。
適応:消化管の粘膜にとどまる癌またはリンパ節転移のない浅い粘膜下層にとどまる癌
手術に関しても積極的に腹腔鏡・胸腔鏡を取り入れております。
腹腔鏡・胸腔鏡手術は、従来の手術と比べ手術時間は長くかかる傾向にありますが
①傷が小さいため術後疼痛は少ない
②拡大視野効果があるため従来の開腹・開胸手術に比べて細やかな手術をすることができ出血量も少ない
③術後の回復が早く退院期間も短いという利点があります。
当院での適応症例
胸腔鏡: 気胸 肺嚢胞(ブラ切除)
腹腔鏡: 胃癌 結腸・直腸癌 胆嚢結石 総胆管結石 胆嚢炎 鼠径ヘルニア
腹部救急疾患(消化管穿孔・腸閉塞・虫垂炎など)
肝臓・胆道(胆嚢胆管)・膵臓疾患について
胃や大腸といった消化管と異なり、肝臓・胆道・膵臓は沈黙の臓器と言われ、疾患の発見が難しい傾向があります。
ご心配ご不安のある方、いつでもご相談においでください。
肝臓疾患:輸血性肝炎ウイルスの治療が進み、肝腫瘍肝癌は減少しましたが、近年は生活習慣病に関連し、脂肪肝や
アルコール性肝障害の症例が増加しています。画像診断の進歩から様々な肝腫瘍も発見されるように成り、鑑別診断と
経過観察が重要となっております。
生活習慣病の管理と並行して肝疾患の診断に有用な画像診断三種(超音波・CT・MRI)を用いてしっかり診療を行います。
胆道疾患とくに胆石症関係:胆石症は比較的頻度の高い疾患で、超音波検査にて容易に診断できますが、腹痛は発熱で急激に発症する場合があります。胆嚢結石胆石症の根本治療は、胆嚢摘出術という外科手術療法が基本ですが、近年高齢化に伴い心臓や脳血管に基礎疾患を有し、抗凝固(血をさらさらにする)療法中の患者さんも多くなり、簡単には手術ができない事もあります。また胆石は胆管内に広がり肝機能異常や胆管炎、膵炎を合併することもあり診療には工夫が必要です。当院では、経験豊富な専門医が超音波や内視鏡手技(ERCP)を駆使して高齢者や基礎疾患を有する患者さんの治療も安全に行う努力をしております。
膵疾患:近年食生活が欧米化した結果膵疾患は増加しております。
腹痛背部痛嘔気嘔吐で発症する膵炎は、原因としてアルコール以外に膵腫瘍が関係していることがあり要注意です。
また、健診等で腹部超音波検査により、嚢胞膵腫瘍が発見される頻度が増え、良性悪性の判断は重要です。
膵腫瘍の中でも膵がんは、未だに治療困難な不治の病として取り残されています。膵臓の精査には、造影CT検査、
MRI(MRCP)検査が有効ですが、さらなる細胞組織学的アプローチのためには内視鏡的膵管アプローチが必要です。
膵炎という合併症に注意が必要ですが、当院では2000例を超える経験を持つ専門医が安全に迅速に良悪性鑑別診断を目指しています。
肝胆膵手術について
肝胆膵臓器に発生した腫瘍・がんの手術は一般的に消化器外科の中でも高難度手術に分類されます。
当院には、多数の肝胆膵がん手術経験を有する専門医が常勤しており、安全な診断・治療を提案できるように努めております。
その他、手術を行わない消化管疾患も丁寧に診察させていただきます。
なにかご不安なことがございましたらご相談いただければ対応させていただきます。
【血管外科】
シャント手術
当科では当院の約50名の維持透析患者さんのシャント管理を行っている以外に、他医院の透析患者さんのシャントの急性血栓閉塞の緊急血栓除去術、カテ―テルによるPTA(血管拡張術)、人工血管を使用したループシャント、ストレートシャントの作成を数多く行っております。
特に急性閉塞をきたした患者さんに対する緊急手術を応需いたしますので、当科までご連絡ください。
末梢血管の急性動脈閉塞症に対する血栓除去術
下肢が急に紫色になり、冷たく、痛くなった場合末梢血管血栓閉塞が疑えます。
そのまま放置すると下肢切断の危険性があります。当院では緊急に血栓除去を行います。
閉塞性動脈硬化症に対するカテーテルによる血管拡張術(PTA)、ステント留置術、血行再建術
歩くと足がつる、痛いなどの症状は間欠性跛行といい、閉塞性動脈硬化症が疑えます。
当院では血管造影を施行し適切な治療を選択いたします。
深部静脈血栓症に対する抗凝固療法による管理、下大静脈フィルター留置術
足が急にはれたなどの症状がある場合はご相談ください。
下肢静脈エコーで血管内の血栓の有無を検査し、血栓があった場合は肺塞栓症(エコノミークラス症候群)といった重篤な状態へ移行する可能性がありますので早期に適切な薬物治療を行う必要があります。
下肢静脈瘤に対する、硬化療法、抜去切除術
下肢静脈がぼこぼこ拡張しており、下肢がむくみだるいといった症状のある方は相談に来てください。
静脈うっ滞性硬化性皮膚炎といって皮膚の色が黒く変色する前に治療することが必要です。